サバイバル教師日記

教師3年目 日々の挑戦を書きます。

部活動の本当のあるべき姿

 自分は部活動の地域委託について研究しています。テーマ自体はまだ決まっていなくてあやふやなのですが、インタビューをしながら模索中です。

 先日、自分の地元でもある静岡県掛川市の地域部活動Paletteさんにお邪魔してきました。PaletteさんはNPO法人日本地域部活動文化部推進本部Poccaさんが運営をしている団体で、掛川市の中学生が集まり、ダンスや演劇、プログラミングなど様々な活動をしています。Paletteさんについては下記のホームページで詳しく知ることができます。

地域部活・掛川未来創造部Palette

 

Poccaさんの経営理念は

一円融合を基とした文化部活動改革を通じて、行動的市民を各地に輩出し、

全国の地方創生に寄与する

というものです。

教育課程が目指す学びに準拠する観点からの位置づけとして、

ゆえに、部員による「自治的な活動」を基本とする
ゆえに、技能向上のための「習い事」とは異なる
ゆえに、大会や自主公演を目標にする「文化芸術団体」とは異なる

としています。

部活動が抱える社会課題を解消する観点からの位置づけとして、

部活動の選択肢が乏しい状況の解消
部活動の大人による私物化の解消
部活動の費用高額化の解消
部活動の長時間化の解消
部活動の過熱化の解消
部活動による教員の多忙化の解消

としています。

下記のPoccaさんのホームページで詳しくご覧になれます。

理念/活動指針 - NPO法人 日本地域部活動文化部推進本部

 

Poccaさんの活動は確実に子どもたち、地域の未来を見据えています。

そして、子どもたち30人ほどにインタビューしたところ、上記の理念や社会的な位置づけが確実に根付いているということがわかりました。

 今ざっくりとインタビューして感じたことを書くと、まずみんな口々にこの部活が楽しいと言っており、この部活を全国に広めていきたいと言っていたことが印象的でした。自分たちの部活が素晴らしいからこれをもっと広めていきたいと中学生が言っています。なぜそんなことが言えるのか。それは、自分たちで一から考え行動に移し、仲間ともに試行錯誤しながら挑戦して達成感を得ているからだと思います。子どもたちもそう言っていました。達成感を得ると言っても大会やコンクールに参加しているわけではありません。自分たちで企画したイベントを開催しているだけです。インタビューしたところ大会やコンクールがなくてもイベントがあるからいいとみんな言っていました。また、大会がなくてレギュラー争いがなく、ピリピリもしないと言っていました。子どもたちを見ていて感じたのが、子どもたちも自分たちで言っていたのですが、先輩・後輩間の仲がとてもいいということです。見ていて誰が1年生で3年生か全くわかりませんでした。

 インタビューして感じたことはもっとありますが、また別に書きたいと思います。

 Paletteさんの活動を実際に見たり子どもたちにインタビューして、『学び合い』に通じるところが多くあると感じずにはいられませんでした。理念やこれからの社会はどうなっていくのか、この部活で大切にすべきことは何かを子どもたちに語り、あとは子どもたちを信じ子どもたちに任せています。子どもたちのインタビューを通してこれからの社会を見据えている子どもたちが多くびっくりしました。自分が中学生の時はそんなことを一切考えていませんでした。

 また、副理事長さんとお話した中で印象的な言葉がありました。「地域復興は、外から色んな人を呼ぶような観光スポットを多く作って多くの人を呼ぶことではない。それではただ使われて終わりになってしまう。地域復興はその地域の子どもたちが自分たちの地域を愛しその地域を良くしていこうと行動していくことで生まれるもの。」とおっしゃっていました。地域で起こる部活が地域をさらに良くしていく。そんな好循環が生まれれば子どもたちが幸せに生きることにもつながってくると感じました。

 自分の地元にこういった考えの活動があることを誇りに思います。インタビューをさせていただいたPoccaの皆さん、子どもたちに本当に感謝です。部活動の本当のあるべき姿というものをこれからもっと深めていきたいです。