サバイバル教師日記

教師3年目 日々の挑戦を書きます。

部活運営を『学び合い』で

 私は大学の部活で部長を務めています。競技はアイスホッケーです。部活は『学び合い』の考え方に基づいて運営しています。

 『学び合い』の考え方は学級だけで使えるものではなく企業や非営利団体、そして日本人が多く経験している部活の経営にとても役立つと考えています。 

 私が『学び合い』で運営している部活で今までやってきたこと今課題だと思っていることなどを書いていこうと思います。

①部活の目的、理念を明確にする

 新チームが始まる前に同学年のメンバーで部活の目的、理念をまず決めました。アイスホッケー部には毎年目標はありました。インカレ北信越予選で2位になること。これが目標でした。でも目的や理念はありませんでした。

 『学び合い』が目指すものは、多様な人と折り合いをつけ自らの課題を解決できるようになることです。人とのつながりの中で幸せに生きることです。その為にはただ部活をしているだけでは習得できません。高次なミッションがあるからこそ人とのつながりは生まれます。ドラッカー非営利団体の経営にも、リーダーシップについて「重要なのはカリスマ性ではない。ミッションである。したがってリーダーが初めに行うべきは、自らの組織のミッションを考え抜き、定義することである。」と書かれています。

 我々がそこで考えたミッション、理念は「全員ホッケー」でした。いたってシンプルでミッションとは少し言い難いものかもしれません。どこにでもあるような言葉です。でも、この6文字の中にはいろんな思いが込められています。ドラッカーが言うように組織には顧客がいます。アイスホッケー部においての顧客はだれなのか、最初考えた時は出てきませんでした。でも、西川先生とのゼミでの質問を通して顧客は”自分たち自身”でもあるということに気付かされました。顧客は何を求めているのか、自分たちはアイスホッケー部での活動を通して何を求めているのか、考えました。自分たちを感動させる、それこそが自分達にとって一番の報酬だと思いました。自分たちを感動させるにはどうすればいいか、それは全員が部の活動に主体的に関わり全員がお互いに高め合い全員で一つになって取り組むということが必要だと考えました。理念とか目的はTシャツのロゴになるぐらいシンプルで言いやすいものがいいというように、「全員ホッケー」はみんなの合言葉になるぐらい今は浸透しています。

②組織の関係性をフラットにする

 「全員ホッケー」においてメンバーの関係性をフラットにすることはとても重要だと考えています。例えば部活にありがちな1年生が全部準備して全部片づけるという風習をなくしました。「全員ホッケー」という理念においては、誰かが準備して誰かは準備しなくてもいいということはあってはならないことです。実はこの発想は中学時代の野球部の副顧問の先生が教えてくださったことです。自分が使うのになんで自分で準備をしないんだと言われました。その先生も一緒にグラウンド整備をしてくださったのを覚えています。強い部活では試合に出るメンバーは掃除や準備片付けをしないといいうことがあります。そんな組織では絶対に人間的成長はできません。また、1年生が準備のことなどをあまり考えなくていいことによって余裕が生まれのびのびとできることにもつながっていきます。

 

これからの課題

 

 部活でのミッションを決め、一貫して組織を運営していることでだんだんとチームが出来上がってきているように思います。でもまだまだ課題があります。

 部活には色んな事務的な作業があります。学生課への提出資料だったり相手チームとの連絡だったり他にもいろんなものがあります。こういうものを部長である私に質問してくる部員が多数です。普通の部活だったら部長に聞いておけば大丈夫ということでそれが普通だと思います。でも、すべて部長が解決してしまう集団を作るということは『学び合い』が目指す先ではありません。西川研では西川先生に相談することは決まっています。決まっているもの以外は相談しても断られるのが目に見えているのでそもそも相談しません。報告・連絡はもっとしません。

 西川先生はこうやって書くとゼミ生を突き放しているように思われますが決してそうではありません。西川先生は集団を絶対的に信頼しています。西川先生自身が一人で考えて決断を下すよりもゼミ生同士が話し合って決めた方が絶対に良いと思っています。アドバイスはしますが命令はしません。ゼミ生が決断したことに対しても何も言いません。でも責任は持ってくれます。

 私は部長として西川先生のような一貫した考えのもと部員の前に立っていなかったと反省しています。チーム集団を本当に信頼していなかったからこそそういうことが起きてしまいました。心のどこかで自分がやらなきゃだめだと思っていたからです。反省です。

 

最後に

 『学び合い』はよく部活に例えられます。だから部活で『学び合い』ができないはずがありません。『学び合い』で運営しているとみんなが部活に貢献している様子が見えます。一人一人やることは違うかもしれないけど「全員ホッケー」の理念のもと活動している様子が見えます。まだまだ課題はいっぱいありますが、その課題もみんなで乗り越えていけたらなと思っています。これから教育実習が始まり、教員採用試験も控えているので部活に顔を出す機会が減りますが、後輩たちだけでもよりよく運営していけるだろうなと思っています。

 4年生の引退は11月なのでまだまだ先があります。

 部長として結果をしっかり出したいと思います。